協議分割と調停分割の比較

協議分割と調停分割の比較

区  分

協議分割

調停分割

裁判所の利用

利用しない。

利用する。

協議の時間

相手に左右される。

相手の回答が遅い場合、心配や不安という日々になる。

ほかの相続人に遺産分割協議書を郵送し、

実印での押印、印鑑証明書を送っていただきたいと連絡しても、警戒され進展しないことが多い。

代理人弁護士名で郵送してもほとんど同じ。

裁判所の期日ごとに着実に進行する。

交渉の内容

ほかの相続人が法律や実務に反する過大な要求や認めがたい要求をしてくる場合がある。

法律や実務の運用に従った主張しか認めラれない。

交渉の公平性

相続人間の力関係に左右されることが多い。

法の下の平等の原則の下で、社会的地位、資産、収入等に左右されず、正当な主張を行うことができる。

分割の成立要件

相続人全員の実印による署名押印及び印鑑証明書が必要になる。

裁判所が調停成立後に作成する調停調書という書類に基づいて相続人の1名だけでも各種の手続が可能になる。ほかの相続人の協力や署名押印は必要ない。

合意が不可能な場合

あらためて遺産分割調停を申し立てる必要がある。
それまでの期間は、無駄になってしまう。

調停手続きが終了し、そのままの状況から裁判官が結論を下す審判手続に移行する。訴訟と類似の手続により必ず結論が下される。

成立した内容に従わない場合

別途訴訟手続等を裁判所に進め、その後強制執行等をしなければならなくなる。公正証書を作成した場合、強制執行が可能であるが、公正証書の作成は、相続人全員が公証役場に出頭しなければならない。公正証書の作成においても相続人間の力関係による影響がありうる。

調停調書という裁判所が作成する書類に基づいて強制執行ができる。
調停において合意した金銭を支払わない等の場合、相手の給料を差し押さえることができる。

弁護士の立場からの考え

お勧めし難い。
理由は、上記のとおり。

調確実着実に進展すること、当事者が公平な立場で自分の主張ができること、調停成立後にも内容の実現の手続が整備されていること等により、この手続が相当。

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